Ich verstehe nicht.

冷静と情熱の間を表現できないアラサー

俺のユーロは返ってくるのか。-第一話-

ドイツ勤務を終えて日本に戻ってきてから一年半。

今だに当時の給与が振り込まれていた
銀行口座を持っていて、そこには
幾ばくかのユーロが残っている。
たまにオンラインバンキングで変化がないか気になった時にチェックするのだが
数ヶ月ぶりにログインしたら
見覚えのない引き落としがあった。

金額にして約1200ユーロ。
大金だ。
何か買ったっけ?と思いながら
引き落としの詳細を見た。
厄介な事にメモ書き程度の情報しか
そこには書いておらず、
恩師のGoogle先生にお世話になりながらドイツ語の単語を調べた。
分かったことは
「税関」
が関与しているということ。

日本の給与が少なすぎて我が家は家庭崩壊しかけているというのに!
日本円で15万程の金額を勝手に引かれるのは約一ヶ月の給与を失うに等しい。

こんな時にTwitterというものは大変便利なもので
ドイツ時代からお世話になっていたドイツクラスタの方の力を借りる事にした。
 
本当に自分が(正しくはGoogle大先生が)翻訳した内容が合っているのかまずはそれが知りたかった。
はやる気持ちを抑えながらTwitterのDM欄の更新を待ち続けた。
こういう時ほどTLって速いんだなと思う。

しばらくして返ってきた返事は「第三者により税関を通して追徴課税を受けている」との事だった。
全く思い当たる節が無い自分は寝耳に水状態だった。
思い起こせば渡独して一ヶ月、家のドアをぶち壊され空き巣に入られた時と同じ感覚に近かった。
ガツンと頭を殴られたような衝撃に目眩を起こしそうだったが、
まずは全力で「第三者」が誰なのかを突き止める事にした。




つづく