Ich verstehe nicht.

冷静と情熱の間を表現できないアラサー

ケンタッキーフライドチキンの話

先日の昼食がケンタッキーフライドチキンだった。
雪が降っていて近くに飲食店も無く、
仕方なく食べた感じの昼飯だった。
実はケンタッキーフライドチキンはあまり好きではない。

味は特に問題は無い。手がべとつくのがちょっと嫌な位だ。

好きじゃない理由として
婆さんの葬式での一幕が頭に残っているからだ。
俺が大学生の時だったか婆さんが亡くなった。
その昨年、爺さんも亡くなっており追って行くように婆さんも亡くなって行った。

爺さん葬式が初めての葬式で焼香など一連の動きなどは知っていたので
婆さんの葬式もそつ無くこなせるはずだった。

婆さんの葬式は始まり、爺さんの時と同じように進めて行った。
すると終盤に司会者は
「お孫さんからお祖母様にむけてお手紙があるそうです」


当時、中学生だった俺の妹が手紙を読むらしい。
聞いてない。
孫は全員会場の前に立たされ、妹の手紙を聞くことになった。
後で母に聞いたら、妹が書いた手紙を棺の中に入れたかったらしいが中身を読んだ母が是非読んであげなさいと当日葬儀会社にお願いして時間を設けてもらったらしい。

手紙の内容はもう既にうろ覚えだが
今でも頭の中に残ってる一言がある。
「おばあちゃん、寂しい思いをさせてごめんね。
一緒にケンタッキーもピザも買ってあげられなくてごめんね。」
この一文から始まった妹の手紙。

婆さんは爺さんが亡くなってから
わがままになっていった。
爺さんがいたから気を使ってたのもあったようで、
遊びに行くたびケンタッキーフライドチキンやピザが食べたいと言っていたが
うちの母や叔母が「脂っこいのでダメ。」
となかなか食べさせなかったのだ。

そんな様子を妹はちゃんと見ていたのだ。
最初は「は?なに言い出すんだ?」
と思ったけど、聞いてるうちに涙が止まらなくなった。
会場にいたみんなが泣き、更には二人いた和尚も泣き出した。

葬儀が終わってから親戚が集まり、
話題は妹の手紙の話ばかり。
叔父さんは、「坊主泣かせるとは大したもんだ!!」と褒めていた。
もうあの手紙の内容は思い出せないけど俺はこんな理由でケンタッキーフライドチキンが好きじゃない。

婆さんはケンタッキーフライドチキンを天国で好きなだけ食べてるはず。